2秒で時速100km 日本の派遣会社がEVスーパーカー開発

2017年10月17日

2秒で時速100km 日本の派遣会社がEVスーパーカー開発

日刊工業新聞 電子版(2017/10/12 05:00)

  • アスパークの吉田社長とEVスーパーカー「Owl」



9月にドイツで開かれた世界最大級の自動車ショー「フランクフルトモーターショー」。多くの量産自動車メーカーが電気自動車(EV)のコンセプトカーを披露し、EV時代の到来を予感させた。そんな中、日本の人材派遣会社が静止状態から、わずか2秒で時速100キロまで到達するという世界最高加速のEVスーパーカーのコンセプトモデルを初公開し、注目された。

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EVスーパーカー「Owl(アウル)」の出展者は、開発や設計などの部署へ理系人材を派遣するアスパーク(大阪市北区、吉田眞教社長、06・7711・0578)。「EVは環境に優しい点ばかり注目されるが、車はもっと楽しい乗り物」(吉田社長)と考え、競技車両などを手がけるイケヤフォーミュラ(栃木県鹿沼市)と開発を推進。多数の自動車部品メーカーなども協力する。池谷信二イケヤフォーミュラ社長は「みんなができないということを、やることに価値がある」と力を込める。

目標は「世界最速で格好いい車」。時速100キロメートルに2秒以下で到達する既存スーパーカーは無く、実現すれば世界最速。Owlは試験車両による実測で同2秒は到達済みだ。

公道走行に向けた装備対応などはこれからだが、実用化のめどをつけ公開した。多数の共感が得られ、欧州系仲買人などの引き合いも得た。車両はフルカーボンボディーで重量850キログラムと軽い。車高990ミリメートルの低重心で、外観は吉田社長肝いりの格好いいデザイン。動力源はリチウムイオン電池と、急速放電可能なキャパシターを併用する。発売は2019年、受注生産で最大50台の限定販売の予定。想定価格は350万ユーロ(約4億6000万円)。